近年、コールセンターにAIを導入する企業が増えています。
コールセンターにAIを導入することで、離職率を低下したり顧客満足度を向上したりと多くのメリットを得ることができます。AIを導入するとことのメリットや活用事例をご紹介いたします。
目次
コールセンターでAI化が求められる背景
コールセンターでのAI活用事例
コールセンターにAIを導入するメリット
コールセンターにAIを導入するデメリット
コールセンターにAIを導入する際の注意点
まとめ
1.コールセンターでAI化が求められる背景とは?
コールセンターでは多くの課題を抱えています。特に離職率の高さは大きな課題と言われています。質の高いオペレーターの育成が難しく、それによる人手不足や対応品質の低下など、企業全体の顧客満足度に大きな影響を与えてしまうこの課題に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか?
そこで近年、注目されているのが『音声認識』や『ボイスチャット』などのAI技術の活用です。
コールセンターでのAI活用は、電話を繋がりやすくしたり、スムーズに問い合わせをできるようにするなど、顧客がストレスなくサービスや商品を利用できるようにするだけではなく、同時にオペレーターの負担を減らすことができます。これは離職率を下げることにも繋がり、人材の育成や応対品質、顧客満足度の向上に繋げていくことができます。
このため、多くの企業がコールセンターの業務にAIを導入しています。
2.コールセンターでのAI活用事例
では、コールセンターでのAI活用事例にはどのようなものがあるのでしょうか?代表的な活用事例を紹介します。
活用事例①:チャットボット
チャットボットとは、AIやシナリオなどを活用し、会話を自動的に行うプログラムのことです。Webサイト上にチャットボットを設置することで24時間365日体制での顧客対応が可能になるため、顧客が時間を気にすることなく、営業時間外に気軽に問い合わせをすることができるようになります。
また、よくある質問をチャットボットで対応することで、顧客が自己解決できる環境を提供できるようになります。この結果、顧客は「問い合わせの電話をする」という負担が減り、コールセンターは、入電数が減少し、1件1件への対応をより丁寧にできるようになり顧客満足度の向上へと繋げることが可能になります。
活用事例②:音声認識システム
音声認識とは、人が発言した言葉や声、会話の内容をAIが解析し、その音声データをテキストに変換する技術のことのことです。これにより、通話内容を自動でテキスト化し、電話対応のモニタリングを容易にできます。管理者はこれをオペレーターの育成に活かし、対応品質向上につなげられ、注目を集めています。
また、電話応対中に音声データをテキスト化し、会話内容から最適なFAQを表示する音声認識AIの導入により、業務がスムーズに進み、効率的に改善でき、顧客満足度向上が期待されます。これによりクレームが減り、オペレーターのストレスない労働環境が構築され、コールセンターの大きな課題である離職率低減も期待されます。
さらに、音声認識システムは高度なデータ解析が可能で、問い合わせの目的や問題点を明確にし、分析・対応することで、無駄な問い合わせを減らし、本当に必要な対応をより丁寧に行えるようになります。
活用事例③:自動応答システム(ボイスボット)
ボイスボットは、AIを活用した自動音声応答システムで、コールセンターにおいてオペレーターの代わりに顧客対応を行います。顧客の発言を音声認識技術でテキスト化し、自然言語処理で内容を解析し、回答を生成し、それを音声合成で読み上げます。
同様の自動応答システムには「IVR(Interactive Voice Response)」もありますが、ボイスボットはボタン操作なしで自由な会話が可能です。IVRはボタンを操作する必要がありますが、ボイスボットはストレスを軽減し、顧客の問い合わせに適切に対応します。
ボイスボットは24時間自動応答が可能で、チャットボットと異なり「音声によるコミュニケーション」ができるのが大きな特徴です。特に電話での問い合わせが多い場合は、ボイスボットの導入が大きなメリットとなります。問い合わせによっては、ボイスボットだけで処理でき、オペレーターの負担を軽減できる利点もあります。
3.コールセンターにAIを導入するメリット
では、コールセンターにAIを導入すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
1.顧客満足度の向上
オペレーターは顧客からの問い合わせに適切な回答をするため、顧客情報やマニュアルを確認するなどの複数の作業を同時に進行しながら対応しています。オペレーターの経験などにより、操作や回答までに時間がかかってしまいクレームに繋がってしまうことも少なくありません。
そこでオペレーターの画面上にFAQやマニュアルを表示したり、会話から予測される回答を提示したりするAIを導入することで、オペレーターの対応がスムーズになり顧客の負担を軽減し顧客満足度の向上につなげることができます。
2.応対品質の均一化
オペレーター業務を支援するAIを導入することで、どのオペレーターが対応してもスムーズに対応できる環境を作り、対応品質を向上させることができます。応対品質が均一化するため、業務が属人化してしまうことも防ぐことができます。
3.オペレーターの負担の減少・離職率の低下
オペレーターが業務をスムーズ対応できる環境を整えることでオペレーターの業務負担を減らすことができます。それにより1件1件の応対品質を上げることができ、顧客からのクレームが減ります。これは、精神的な負担を減らすことにもなります。
オペレーターが気持ちよく勤務できる環境は離職率の低下につながり、結果、コールセンターの最大の課題ともいえる人材不足を解消することができます。
4.コールセンターにAIを導入するデメリット
では、コールセンターにAIを導入する際のデメリットとは何でしょうか?
導入する際にはぜひ押さえておきたいポイントです。
代表的なものを紹介します。
1.コストが発生する
AI搭載のシステムを導入する場合、もちろんコストが発生します。ここで気を付けたいのは
導入する際に発生するコストだけではなく、保守運用にもコストは発生します。
2.すべてAIでは対応しきれない
現在のAI技術では、すべての作業を自動化することはできません。どうしても対応しきれない部分は、人間が確認対応する必要が出てきます。
クレームや複雑な会話は有人でフォローできるような体制を作っておく必要があります。
5.コールセンターにAIを導入する際の注意点
コールセンターにAIを導入するメリットとデメリットを紹介しました。
それを踏まえた上で、AIを導入する際に注意すべき点を紹介します。
1.AI導入の前準備には時間がかかる
AIは導入すればいいというものではありません。まず自社が抱える課題を洗い出し、それに適した製品を選び、AIに学習をさせていく必要があります。運用までには時間がかかることを考慮しましょう。
自社の抱える課題・目標の洗い出し
製品の選定
回答や各対応フローの設定
社内での試験運用
など前準備のスケジュールをキチンを把握しておきましょう。
2.人的リソースを確保する
AIを導入すれば自動化できるという印象がありますが、AIは万能ではありません。AIでもミスは起こりますし、複雑な会話でAIが判断しきれなかったり、クレーム対応などどうしても有人で対応したほうがいい場合が発生します。それらに対応できる人的リソースは必ず確保するようにしましょう。
6.まとめ
コールセンターにAIを活用した事例や導入するメリットについて紹介しました。
導入のメリットやデメリットを理解し、自社が抱える課題・目的に合致したサービスを選ぶことが大事だと言えるのではないでしょうか?
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