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コールセンター業務を改善する方法とは?ポイントと成功事例を紹介


顧客との直接的な接点であるコールセンターは、顧客満足度の向上や企業全体のイメージに直結しやすく、対応次第では顧客満足度や売上にも影響が出るため、コールセンターの品質を管理することは非常に重要です。

しかし、コールセンターの業務や運営改善を行おうとしても、どのような点に注目すればよいのか難しいと感じる方も多いと思います。

今回は業務改善を行う上での注意点や、成功事例をご紹介します。

 

目次

  1. コールセンター業務における課題とは?

  2. コールセンター業務改善における5つのポイント

  3. 業務改善における成功事例

  4. まとめ

 

1. コールセンター業務における課題とは?

コールセンター業務にはどのような課題があるのでしょうか?

代表的なものを紹介します。


1-1. 顧客満足度の向上

顧客満足度(CS: Customer Satisfaction)とは、顧客がコールセンターへ電話をしてオペレーターに対応してもらい、どの程度の満足度を得られたか、ということを表した指標です。

メールやチャット、SNSなどが広まったことにより、電話以外のチャネルにも対応が求められています。それにより、業務が複雑化し、オペレーターの負荷が増大しています。チャネルごとにトークスクリプトを用意したり、業務分担するなどの対応をしないままでは、保留時間が長くなってしまったりなど、オペレーターの応対に不足が出てしまいます。

電話をかけたのに、長時間待たされたり、違う担当者にまた説明したり、回答が適切ではなかったりすると不満を感じませんか?


正確かつ迅速なオペレーターの対応が顧客満足度に直結し、逆に不適切な対応は低下につながります。顧客満足度向上の仕組みづくりが重要な課題となっています。


1-2. 離職率の高さ

コールセンターの抱える大きな課題の一つとして、オペレーター不足があげられます。スキルの高いオペレーターを育成しようとしても、その途中で退職してしまうオペレーターは少なくありません。そのため、コールセンターの品質が向上せず、企業にとって大きなマイナスになると言えます。

オペレーターの離職率は、他業種に比べて非常に高いといわれており、離職者が出るたびに人材採用や教育のコストがかかってしまいます。離職率を低下させることは、コールセンターにとって重要な課題と言えます。


1-3. 応対品質の均一化

離職率が高いとオペレーターの勤続年数やスキルの違いにより応対品質に大きなバラつきが出てしまいます。また、業務の属人化などの発生リスクも伴います。特にトークスクリプトやマニュアルが不十分だった場合、応対時間が長すぎたり、説明に不足があったりと顧客が不信感を覚えてしまいかねません。

インターネット・SNSの普及により、企業に対する意見は気軽に書き込めたり、拡散したりできるようになりました。なかにはよい情報だけではなくネガティブな意見も多くみられます。ブランドイメージの低下を防ぐためには、どのオペレーターが対応しても、顧客に対して十分な応対品質を提供できる環境を作る必要があります。



2. コールセンター業務改善における5つのポイント

では、コールセンター業務を改善するにはどうすればいいのでしょうか?

ここでは5つのポイントを紹介します。


2-1. 課題を洗い出す

まずは、抱えている課題を把握しましょう。何が問題なのか、改善の方向性は何なのかを明確にすることが大事です。

課題の洗い出しには、いくつか方法があります。


課題の洗い出し方法①:KPIの設定・管理


KPI (Key Performance Indicator)とは、設定した目標を達成する上で、その実行度合や進捗を計測・評価するための指標のことです。日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれています。

例えば、「顧客満足度を向上させる」 や「応対品質の向上させる」といった目標設定するとします。その目標を達成するためには、現状の確認やどこに問題があるのかなどの課題を洗い出し改善していく必要があり、そのために用いられるのがKPIと呼ばれる指標です。 指標を立て数値化・管理することにより進捗状況が可視化されます。KPIを設定して管理すると、業務が非効率になっている原因と解決策を分析することができます。


課題の洗い出し方法②:問い合わせ内容を可視化する

課題を洗い出す有効的な方法としてVOC分析があります。

VOC(Voice of customer=お客様の声)を分析することで、問い合わせ内容を可視化し優先的に取り組むべき課題を見つけ出すことができます。VOC分析は企業のマーケティングにおいて欠かせない要素です。

VOCを収集する方法には、

  • SNS|数は多いがやや信憑性に欠ける

  • 問い合わせフォーム|既に文章化されているため解析しやすい

  • コールセンター|顧客発信で重要度が高い

  • インタビュー|信頼できる・掘り下げられる

  • アンケート|匿名性が高く本音を書きやすい

これら5つの方法があります。

中でも、コールセンターに寄せられるものは顧客から働きかけられたものです。目的をもって問い合わせをしてくるお客様の声は重要度が高く、企業としては優先的に取り組むべき課題を見つけやすい方法であるといえます。

また、VOCを分析することで新商品への評価の実態や、企業が解決すべき課題点などが可視化され、サービスの改善、プロモーションへの活用、プレゼンの資料への活用などにつなげることができ、売上や企業の実績を向上することができます。 いち早く顧客ニーズの変化に気づくこともでき、商品やサービスに反映することでクレームを減らすこともこともできます。


2-2. 改善目標の設定

課題を洗い出したら、改善目標の設定をしましょう。各KPI項目に対し目標値を設定することで、その業務に携わる人が明確な方向性を持って行動しやすくなります。また、成果が出たかがわかりやすくなるため、新たな課題の発掘にも役立てることができます。


2-3. 運用体制を見直す

設定した目標に対し、運用体制がきちんと整っているのかを確認しましょう。


運用体制ポイント①:マニュアル・トークスクリプトの見直し

チャネルの多様化により、オペレーターの業務は複雑化しています。それによりマニュアルやトークスクリプトが整理しきれておらず、業務が非効率になっている原因になっている場合があります。

また、新商品の情報が更新されていないなどの不備がないかを確認することも大事です。

新人のオペレーターでも問題なく業務できるかどうかを確認しながらマニュアルを作成・更新することで、業務の効率化に繋げられます。マニュアルやトークスクリプトは必ず定期的に見直し、アップデートするようにしましょう。

運用体制ポイント②:教育内容の見直し

コールセンターの業務では、基本的な電話のマナーだけではなく、 顧客の質問にスムーズに答えられるよう自社のサービスや商品についての知識が求められます。新しい商品などが出れば、当然マニュアルや対応の仕方も更新されるため、それらを覚えなければいけません。覚えることが多く、それに対応することができずに離職する人が多くみられます。結果、人材の育成が追い付かずに人材不足に陥ってしまうことも少なくありません。研修やOJTなど教育制度を設け、定期的に効果があるか検証していくようにしましょう。


2-4. 人材配置の見直し

コールセンターでは人手不足は大きな課題の1つです。人手不足により業務スムーズに進まないという声は少なくありません。しかし、新たにオペレーターを増員すると人件費がかかってしまい、さらに教育にも時間がかかります。これを解決するためには、単に人を増やすのではなく電話が多くかかってくる時間帯や時期、その内容などを洗い出しましょう。これを把握すると休憩時間や後処理の時間などを見直し「対応できるオペレーターの数」を増やすことで対応することができます。


2-5. 最新システムの導入


①チャットボットの導入

コールセンター業務を改善する方法として、チャットボットを導入する方法があります。チャットボットとは、AIやシナリオなどを活用し、会話を自動的に行うプログラムのことです。Webサイト上にチャットボットを設置することで24時間365日体制での顧客対応が可能になるため、顧客が時間を気にすることなく、営業時間外に気軽に問い合わせをすることができるようになります。

また、よくある質問をチャットボットで対応することで、顧客が自己解決できる環境を提供できるようになります。この結果、顧客は「問い合わせの電話をする」という負担が減り、コールセンターは、入電数が減少し、1件1件への対応をより丁寧にできるようになり顧客満足度の向上へと繋げることが可能になります。


①音声認識システムの導入

コールセンターは、音声認識の技術が最も導入されている分野と言われています。

音声認識とは、人が発した言葉や声、会話をAIが解析し、その音声データをテキストデータへと変換する技術のことです。

通話内容をテキスト化することができるため、電話対応のモニタリングがしやすくなり、管理者がオペレーターの育成に活かしたり、オペレーター支援を目的をした音声認識AIを取り入ることで、電話対応中に音声データをテキスト化し、会話内容をもとに最適なFAQを表示させたりできるため、業務をスムーズに進めることができるようになります。

また、音声認識により音声データをテキスト化することで、より高度なデータ解析が可能になったことも大きな注目点です。

「なぜ、問い合わせが来ているのか」「問題はどこにあるのか」をより明確にし、分析・対応することで問い合わせ自体を減らすことができ、1件1件の問い合わせにオペレーターが余裕をもって対応できるようになるため、応対品質や顧客満足度の向上へと繋げることができます。



3. 業務改善における成功事例

コールセンターで業務効率を改善できた事例を紹介します。


成功事例①

・目的:よくある問い合わせを削減(PC の製造・販売業)

リモートワークの普及により、ユーザー層の幅が広がった影響を受け、コールセンターには多くの問い合わせが来ていました。そのためコールセンターにチャットボットを導入し24時間の問い合わせを可能にし、蓄積されたデータから導き出した最も質問される QA を「よくある質問」という形で初期表示をさせ、顧客の自己解決度を上げ、目的である「よくある問い合わせ」の削減に成功しました。


成功事例②

・目的:問い合わせ件数の削減(金融業)

音声認識AIの導入により、分析することで、なぜ電話が増えているのか・どのような電話がかかってきているのかという問題を把握し、FAQの整備をすることで目的である問い合わせ件数の削減に成功しました。また、応対品質を均一化するため、分析データを基にマニュアルのアップデートを実施。人によって答えが異なっていたり、説明が足りていなかったりという問題を解決へと導くことに成功しました。



4. まとめ

コールセンター業務の改善には、KPIを設定・管理し、マニュアルや教育制度を見直すことが重要です。チャットボットやコールセンターシステムの導入なども解決策の1つです。

どこに問題があるのか、何が原因かを把握することが大事だといえるのではないでしょうか。


アイビーデータでは、音声データからテキスト化を行い、問い合わせを分析するツールやコンサルティングを提供しています。音声データを活用してシステムを導入したい、音声認識システムに興味を持っているが、導入後どのように活用できるかわからない方はぜひこの機会に弊社までご相談ください。コールセンター関連の相談はこちらの問い合わせフォームからいつでも承っています。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。

コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。

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