音声認識とは、人が発言した言葉や声、会話の内容をAIが解析し、テキストデータに変換する技術のことのことです。
コールセンター業界やビジネス用途でも活用されていたり、スマートフォンの音声入力機能などに搭載されていたり、とても身近な存在になりつつあります。
しかし、どのように活用するのか、実際に業務に導入したらどのような効果があるのかがわからないという方も多いのではないでしょうか?
音声認識について詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
音声認識とは?
音声認識の仕組みとは?
AI音声認識を導入する3つのメリット
音声認識の活用事例3選
まとめ
1. 音声認識とは?
音声認識とは、人が発した言葉や声、会話をAIが解析し、テキストデータへと変換する技術のことです。
この技術は、近年、AI(人工知能)の進化、特に深層学習(ディープラーニング)という技術を取り入れたAIの登場により、音声認識技術の精度が飛躍的に向上しました。
スマートフォンの音声入力機能であるSiriやGoogle音声アシスタントだけではなく、コールセンターなどでの活用が進んでいます。
2. 音声認識の仕組みとは?
では、音声認識とはどのような仕組みになっているのでしょうか?
ここでは、ぞれぞれ工程について説明します。
2-1. 音響分析
音声認識の大きな流れとして、まず認識したい音声を録音・入力します。それらの声の強弱や音と音の間隔、抑揚などの様々な特徴をデータ化・抽出しコンピューターが認識しやすいデータに変換します。
2-2. 音響モデル
次に、音響分析によって抽出されたデータを、AIが事前に学習したデータと照らし合わせ、音素を抽出しテキスト化していきます。この作業のことを音響モデルといいます。
音素とは「発話を細分化した場合に意味を持つ音声的な最小単位」を指します。日本語は母音、子音、撥音の3種類が音素とされ、音声認識を行う場合は、こうした音響モデルを基に入力された音声と、AIが事学習したデータを照らし合わせて、一番特徴が近い音素を選んで出力します。
2-3. 発音辞書
次に、抽出した音素を正しい単語に再構成していきます。音素とデータベースに登録されている単語を紐づけます。例えば「ame」という音素があった場合、「雨」「飴」などが単語の候補となります。
2-4. 言語モデル
最後に発音辞書で特定した単語を組み合わせて文章を作成しテキスト出力を行います。
このように、音声をコンピューターが認識しやすいデータに変換し、音声データを音素に分解、音素から単語を抽出し、特定した単語を組み合わせて文章を作成するという流れが音声認識の大まかな流れになっています。
3.AI音声認識を導入する3つのメリット
音声認識技術はビジネスに活用することで、どんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは代表的なメリットを紹介します。
3-1. オペレーターの業務を効率化ができる
音声認識を活用することにより、文字の入力を半自動化をすることが可能になります。そのため、テキスト化されたデータを整理するだけになり、一から文字化する時間が短縮され、入力ミスも軽減されます。
手間のかかる作業を効率化することにより、他の作業へ時間を割り振ることができるのは大きなメリットと言えます。
3-2. 問い合わせを自動化・分析することができる
対話が可能な音声認識AIボットを導入することにより、電話対応や対面での窓口対応業務の一部を自動化することが可能になります。
また、その音声データをテキスト化し、分析することでFAQやマニュアルをより効率的に改善することができます。
問題がどこになるのか、どこに不備があるのかを可視化することができ、より的確に対処することができ、それは企業としても大きなメリットと言えます。
4. 音声認識の活用事例
AIによる音声認識は、すでに様々な形で活用されています。音声データからテキスト化したものを具体的にどのシーンで活用できるのか、どんなメリットがあるのかを紹介します。
4-1. 会話内容のログ活用
音声認識の技術が最も導入されている業界がコールセンター業界で、オペレーターのログに活用されることが最も多いケースとなります。
通話内容をテキスト化をし、会話内容を要約する音声認識システムを導入することにより、オペレーターの後処理時間を短縮することが可能となります。また、リアルタイムでテキスト化されることにより、管理者が電話対応状況のモニタリングがしやすくなり、クレームに発展しそうな状況を察知し、フォローをすることが可能となります。このようなオペレータの支援を目的をした音声認識AIを取り入ることで、業務の効率化や顧客満足度の向上を図ることができます。
4-2. 議事録の作成を音声認識で自動化
音声認識を使うことで、商談や社内会議等の内容を簡単に議事録として活用することが可能となります。会議内容を録音し、それを何度も聞いたり記憶に頼って文字起こしする必要がなく、より確実に、明確に、スピーディーに議事録が作成できます。
聞き漏れ、聞き間違いなどが防止でき、業務改善が期待できます。
4-3. 多言語間の通訳・翻訳
音声認識は翻訳や通訳にも活用することが可能です。例えば、「ポケトーク」などが有名な事例です。駅のインフォメーションセンターに旅行客などを対象にした多言語音声認識AIを搭載する対話型ロボットを設置している事例もあります。
様々なところに活用されている音声認識。導入した際には多くのメリットがあります。しかしまだ音声認識の技術はまだまだ進化中です。現段階ではいくつかの課題を背負っています。
5. まとめ
今回は、音声認識システムに関して解説しました。音声認識には、まだ課題が多くある進化中の技術です。しかし、うまく業務に取り入れることで多くのメリットを得ることができます。
基本的な仕組みを理解し、自社の業務に合った音声認識技術を導入することが大事だと言えます。
アイビーデータでは、音声データからテキスト化を行い、問い合わせを分析するツールやコンサルティングを提供しています。音声データを活用してシステムを導入したい、音声認識システムに興味を持っているが、導入後どのように活用できるかわからない方はぜひこの機会に弊社までご相談ください。コールセンター関連の相談はこちらの問い合わせフォームからいつでも承っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。
Comments