【コールセンター業界向け】ChatGPTの活用事例と導入時のポイント
更新日:1月3日
近年大きな話題となっている「ChatGPT」は様々業界での活用方法が検討、導入されています。
ChatGPTは、業務プロセスの効率化やコミュニケーションの強化を実現し、さまざまな業務をサポートする頼れるツールとして期待されております。
しかし、実際にChatGPTを導入したいけれども、どのように活用すればいいのかわからない、気を付けるべきことを知りたい方も多いのではないでしょうか?
今回はコールセンター業務において、ChatGPTの活用事例や導入する際のメリットや、気を付けておくべきことをご紹介いたします。
目次
ChatGPTをコールセンターで活用できる業務
コールセンターにChatGPTを導入するメリット
ChatGPTを導入する際に気を付けるべきこと
まとめ
1. コールセンターでChatGPTを活用できる業務
GPTとは、「Generative Pretrained Transformer」を略した名称で、OpenAIが開発した高度な大規模言語モデルを基盤としたAIサービスです。膨大なテキストデータを学習することで、自然な会話を生成する能力を備えています。ユーザーの質問やリクエストに対して適切かつ流暢な回答を自動で生成することで、多様な場面でコミュニケーションをサポートします。
ではこのChatGPTをコールセンターで活用するとどのようなことができるのでしょうか?
活用事例①:一次対応の自動化
簡単な問い合わせ・基本的な問い合わせをChatGPTを活用し、自動化することが可能です。問い合わせを受け、必要な情報(顧客情報、問題の詳細、利用しているサービス)を確認し、スムーズな対応を支援します。
活用事例②:オペレーター支援
会話中に適切な回答の例やトークスクリプトを提案することで、リアルタイムでオペレーターをサポートすることが可能となります。リアルタイムで音声データをテキスト化し、既存のFAQから該当するFAQを画面に表示することで、オペレーターをサポートすることが可能となります。
活用事③:FAQやトークスクリプトのドキュメントの作成業務
コールセンターによく問い合わせがあるFAQやトークスクリプト等を作成する際に、ChatGPTを利用することで、一から作成する必要がなくなります。
電話やメールの問い合わせ履歴とChatGPTを活用して、FAQドキュメントを作成することができます。また、ユーザー向けのFAQドキュメントだけでなく、オペレーターが利用するトークスクリプトのドラフト作成も可能となり、作業時間の効率が期待できます。
活用事例④:コールログの要約・分析
問い合わせデータをChatGPTで整理し、自動でレポートを生成することで、データの作成や集約にかかる時間を大幅に削減できます。さらに、問い合わせ履歴からVOC(Voice of Customer)を抽出し、顧客から寄せられた苦情、要望を収集・分析することで、サービス品質の向上だけでなく、業務プロセスの改善につなげることが期待されます。
活用業務⑤:オペレーターの応対品質評価
オペレーターが応対評価をする際に、スーパーバイザー・上司が判断しているケースが大半ですが、ChatGPTを利用することで、基準のあいまいさから統一をすることが可能となります。
電話やメールの応対履歴とChatGPTを活用して、スコアリングや評価理由まで出すことができます。
また、スコアが低いものに関しては改善案まで記載することが可能となります。
2. コールセンターにChatGPTを導入するメリット
では、コールセンターにChatGPTを導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか?
2-1. オペレーターの負荷軽減
ChatGPTを利用して、定型的な問い合わせやFAQに自動対応することで、オペレーターが対応すべき業務を減らします。加えて、オペレーターのトークスクリプトをドキュメントで作成したり、オペレーターに感情分析や応答例を提供することが可能となります。これにより、顧客とのやり取りを迅速かつ的確にサポートすることが可能となり、オペレーターの負担を大幅に軽減します。
2-2. 顧客満足度の向上
24時間365日対応が可能で、顧客がいつでも迅速に回答を得られるため、待機時間の短縮に繋がります。さらに、クレームやトラブルが発生しても適切な対応を提案することで、冷静かつ共感的な対応が可能に。オペレーターをサポートし、複雑な問題解決をスムーズに行うことで、総合的な顧客満足度を高めます。
2-3. コスト削減
一次対応やFAQの自動化により、オペレーターの対応負担が減り、人的リソースの節約が可能です。また、複数の顧客と同時に対応できるため、対応人数を増やすことなく対応可能な規模が広がります。さらに、適切な部署に振り分けることで、オペレーターが複雑な問題に集中でき、効率的な対応が実現します。定型業務や反復作業の自動化により、オペレーションコストの削減が期待できます。
3.コールセンターにChatGPTを導入する注意点
上記では、コールセンターにChatGPTを導入するメリットを紹介しましたが、コールセンターにChatGPTを導入する際には注意する点があります。
3-1. 生成された情報の正確性
ChatGPTはとても便利ですが、回答は完璧ではありません。そのため、誤回答のリスクが発生する可能性があるため、最終的には人の手で調整する必要があります。
また、ユーザーの問い合わせに関する自動回答に関しては、質問の正確さが求められるため、利用者が言語化できるかどうか回答の正確性に依存していると言っても過言ではありません。
そのため、オペレーターの業務負荷軽減には利用可能ですが、ユーザー向けの利用にはまだ時期がはやいかもしれません。
3-2. 情報の取り扱い
ChatGPTでは、ユーザーが入力した内容や出力結果を学習します。入力した内容はサービス向上の目的でOpenAI社に渡るため、個人情報を取り扱う機会の多いコールセンターでは、よりセキュリティやプライバシーの保護が必要です。そのため、情報の取り扱いには十分気を付けましょう。
3-3. 従業員への不安払しょく
ChatGPTを導入すると、従業員は「人員削られるのではないか」「コストカットされるのではないか」という不安が発生します。その際に、導入目的や実現したいことの共有を事前に行っておくことで、導入した後の利用率を継続することが可能となります。
まとめ
ChatGPTをコールセンターに導入することで、顧客満足度の向上やオペレーターの負荷軽減、コストカットが可能になります。しかし、現在のChatGPTでは、すべてを自動で対応することはできません。必ず人の目での確認は必要です。
導入する際には、ChatGPTが抱える課題を留意し運用していくことが重要だといえます。
アイビーデータでは、音声データからテキスト化を行い、問い合わせを分析するツールやコンサルティングを提供しています。音声データを活用してシステムを導入したい、音声認識システムに興味を持っているが、導入後どのように活用できるかわからない方はぜひこの機会に弊社までご相談ください。コールセンター関連の相談はこちらの問い合わせフォームからいつでも承っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。
Comments