コールリーズンとは、顧客がコールセンターに問い合わせをする理由のことです。これらの理由はコールセンターの運用を効率化する、サービスの顧客満足度を向上させるという目的で、収集・分析されます。しかし、コールリーズンを分析する上で、よく聞くのが、「テキストマイニング分析」です。コールリーズンを分析する上で、テキストマイニングでどのように分析できるのか、なぜ分析として活用できないのか、本コラムで詳しくご紹介します。ぜひご参考にしてください。
目次
テキストマイニングとは
テキストマイニングが使えない理由とは
コールリーズン分析を正しくするには
まとめ
1. テキストマイニングとは
大量のテキストデータから共通のトピック・テーマを単語レベルで抽出し、出現頻度を単語の大小で表す手法です。
音声データをからテキスト化をする際に、テキストマイニングを活用する場合が多くあります。
しかし、顧客が問い合わせをしている理由を分析する場合は、テキストマイニングだけだと、顧客が抱えている本当に課題を明らかにし、改善策を導くことはできません。
2. テキストマイニングが使えない理由とは
2-1.文脈の不足
テキストマイニングでは、単語レベルで出現頻度を表しているため、顧客の関心領域を把握することができますが、問い合わせの内容や理由を正確に把握するという問題が難しいとされています。
コールリーズンで入電数を削減したい場合は、ユーザーが問い合わせをしてきた内容をもとに、QAを作成したり、マニュアルを作成したりします。しかし、単語の出現頻度の情報は、興味の範囲や領域を明らかにすることはできても、テキストマイニングの情報でQAを作成することはできません。そのため、コールリーズン分析を行う場合は、問い合わせ内容を文章レベルで把握する必要があります。
2-2.情報の非構造化
テキストは構造化されていないデータです。「出現率が高い=コールセンター全体として問い合わせされる量が多い」という場合もありますが、「出現率が高い=一つの音声データの中で出現率が高い」可能性もあります。そのため、コールセンター全体で問い合わせ量が多いかどうかを判断するには、情報を正確に取り出す必要があり、自然言語処理や機械学習の高度な手法が必要となります。
2-3.専門用語や業界特有の言葉
音声データの中には、一般的でない専門用語や言葉・漢字変換が多く使用されることがあります。”証明”が”照明”に変換されたり、”講座”が”口座”に変換されたりするとうまくデータとして扱うことができません。そのため、高度な自然言語処理技術やチューニングする技術が必要となります。
これらの制約を克服するためには、高度な自然言語処理技術を用いたテキスト化システムだけでなく、問い合わせ要約を構造化した上で、定量化する技術が必要があります。関心領域の把握だけでなく、問い合わせ内容を把握することで改善施策につなげることが可能となります。
3. コールリーズン分析を正しくするには
コールリーズンを正しく分析するには、問い合わせ要約・カテゴライズが重要になります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
また、コールリーズン・VOC分析の活用方法に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
4. まとめ
今回はテキストマイニングはコールリーズン分析ができない事例を解説しました。顧客の声は、適切に分析・活用することでさまざまな改善につながる企業にとっての大きな財産です。目的を明確にした上で有用なツールも活用しつつ、ぜひコールリーズン分析にチャレンジしてみましょう。
アイビーデータでは、ChatGPTを搭載することで、精度の高い分析を行うことが可能となっています。自社にどのようなシステムが必要か判断に迷っている方はぜひこの機会に弊社までご相談ください。コールセンター関連の相談はこちらの問い合わせフォームからいつでも承っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。