【事例3選】VOC分析でコールセンターの課題を解決!
更新日:1月29日

更新日:2025年1月21日
コールセンター運営で「入電数を削減したい」「FAQを強化したい」「顧客満足度を向上させたい」などの課題を抱えていませんか?
本記事では、VOC分析(顧客の声分析)を活用して課題を解決した3つの事例をご紹介します。実際に取り組んだ施策や成果を具体的にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
VOC分析とは
課題①:FAQページに追加するQAを作成したい(鉄道業界)
課題②:チャットボット・FAQの使い方の最適解を知りたい(サービス業界)
課題③:FAQを追加しているが、効果が出ない(メーカー業界)
活用するために重要なポイント
まとめ
1. VOC分析とは
VOC分析とは、Voice of Customer(顧客の声)を収集・分析し、コールセンターや企業のサービス、商品の改善につなげる手法です。具体的にはコールセンターの録音データやチャットログ、メール問い合わせなどから顧客の「疑問・不満・要望」を抽出し、頻出する課題を可視化することで、改善施策を検討できます。
コールセンターにおいては、FAQやチャットボットの充実度合い、サイト構成のわかりやすさなどが問合せ数の増減に直結します。「VOC分析をやってみたいけれど、実際にどう活用すればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?ここからは、具体的な課題とその解決策を事例別にご紹介します。
2. VOC分析事例①:FAQページに追加するQAを作成したい(鉄道業界)
鉄道を利用しているユーザーから乗換案内や料金を知りたいという問い合わせが多い企業の事例です。FAQページは存在するものの、100件程度しかないため、お客様から寄せられる音声データからQAを作成したいという課題があり、VOC分析を実施しました。
【導入前の課題】
現在のFAQが100件しかないため、増やしたいと考えているが、どんなQAを追加すれば良いか わからない
QAの作成作業はできるだけ効率的に作成したい
顧客から寄せられる問い合わせカテゴリはある程度把握しているが、オペレーターによって、つけるカテゴリが異なるため、正しく把握できていない

【VOC分析の実施内容】
DigestCallを利用し、月間問い合わせの約半分の音声データをアップロードした
アップロードすると、自動でテキスト化・問い合わせ内容を要約・QAをドラフト案を生成することができた
また、カテゴライズも自動的に付与することができたため、ダッシュボード上で問い合わせを可視化し、把握することができた
【結果・得られた効果】
音声データから「乗換案内」「料金案内」「遅延証明書」に関する問い合わせが多いと判明
問い合わせの量が多い上位300件のFAQを提案
さらに「Webページを見てもわからない」という声が多いため、サイト構成や検索機能、コンテンツ配置などの改善施策を提案
3. VOC分析事例②:チャットボット・FAQの使い方の最適解を知りたい(サービス業界)
自社ブランドの商品をECサイトで展開している企業の事例です。「発送日を変更したい」「支払方法を変更したい」「解約をしたい」等の問い合わせが多くよせられますが、できる限りユーザー自身で解決してほしいが何をしたら良いかかわらないという課題があり、VOC分析を実施しました。
【導入前の課題】
チャットボットやFAQツールを導入しているが、依然としてコールセンターへの入電数が多い
チャットボットとFAQの使い分けが不明確で、ユーザーが自己解決できる導線になっていない

【VOC分析の実施内容】
2か月分の電話問い合わせをテキスト化・会話内容を要約
テキスト化したデータから「電話する前に何を確認したか」「なぜ電話しようと思ったか」を抽出し、ユーザーの検索心理を可視化
【結果・得られた効果】
「振り込み関連の問い合わせ」は振込用紙、「発送に関する問い合わせ」は発送完了メールなど、問い合わせ内容に応じて、発生しているツールを把握・特定
よくある質問TOP10をQRコード化して振込用紙やメールに掲載し、疑問点をすぐ解消できる導線を構築
チャットボットとFAQツールそれぞれに必要なQAを精査し、自己解決を最大化するための配置やコンテンツ拡充を提案
4. VOC分析事例③:FAQを追加しているが、効果が出ない(メーカー業界)
電気商材を代理店向けに販売している企業様の事例です。
「この部屋に合った適切な商品がわからない」「商品の設置方法がわからない」という問い合わせが多く、FAQを2年前から追加しているものの解決できないという課題でVOC分析を実施しました。
【導入前の課題】
電気商材を代理店へ販売しているが、「この部屋に合った商品がわからない」「商品の設置方法がわからない」などの問い合わせが依然多い
2年前からFAQを追加しているものの、入電数が減らず課題が続いている
【VOC分析の実施内容】
特定の商品に絞った音声データ2,000件をテキスト化・要約
施工や個別確認を必要とする問い合わせが多い実態を把握し、FAQで解決可能な範囲とFAQでは解決が難しい範囲を明確化
【結果・得られた効果】
オペレーターによる「ログの記載内容のばらつき」が課題だったため、ログ記載時の統一ルールを策定
FAQでは解決が難しい問い合わせは、代理店向けにサポート体制を強化するなどの施策を提案
結果として、入電数削減と顧客満足度の両面を高めるための具体的施策が明確になった
5. コールセンターで活用するために重要なポイント
VOC分析を活用する際には、「何を明らかにしてどのように改善したいか」を明確にすることが重要です。これにより、以下のメリットを得られます。
目的に合ったデータ抽出ただ蓄積するだけでなく、運用に役立つデータを抽出・整理することで、効率的な改善策を講じやすくなります。
施策の優先順位が明確になる顧客の声をもとに、FAQの追加やチャットボットの導線改善など、優先順位を設定しやすくなります。
6. まとめ
コールセンター運営には多くの課題が存在しますが、VOC分析を用いることで現場の声を“可視化”し、効果的な改善策を打ち出すことが可能です。FAQ強化やチャットボット導入、サイト構成の見直しなど、目的を明確にしたうえで取り組むと、顧客満足度の向上とコール削減が同時に期待できます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。
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